260803|歯は磨けてる。目は、まだ起きてない。

写真と短い物語

朝一番の鏡には、
まだ外には出せない顔が映っている。

アミはツインテールを結び直しながら、歯を磨く。

その隣でルナは、銀色の髪を揺らしながら、ほとんど目を閉じたまま立っている。

 「ルナ、起きてる?」

 「磨いてる」

 「答えになってない」

顔を洗って、歯を磨いて、髪を整える。

いつもと同じ朝のはずなのに、二人でいると、なぜか全部が少しだけ遅くなる。

そして数分後。

ルナの頭は、いつの間にかアミの肩に乗っていた。

 「重い」

 「ごめん」

そう言いながら、アミは肩をどかさない。

何でもない朝ほど、
あとから一番思い出すのかもしれない。

二人の朝は、だいたいこの距離から始まる。

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